おもしろくて感動する映画でしたが、『火星の人』を読んでいたときに映画のシーンを思い描いていただけに、実際に映画を観てガッカリした部分もありました。
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映画『オデッセイ』を観た感想
【ガッカリしたところ】
原作では、主人公マーク・ワトニーは、自分が生きていることをNASAがクルーに伝えていないことに対しての腹いせに、「見て見て! おっぱい! -> (.Y.)」と通信してくるのですが、映画ではカットされていました。それを見たNASA側のシーンでは笑いのどよめきが巻き起こりますが、例のギャグコメントのシーンがカットされているので、観客のみなさんは意味が分からず困惑していました。
これは、PG12、R15+、R18+などの映画のレイティングシステム(年齢制限の枠)が理由なのでしょうか。これらの枠に入らないようにシーンをカットしているように思いました。主人公マーク・ワトニーのユニークな性格が伝わる肝心なシーンなので残念です。
すでに地球から送り込まれていた火星から離脱するためのMAV(火星上昇機)をめざして、主人公マーク・ワトニーは長期間かけて苦労して大改造したローバーに乗って長距離移動することになりますが、原作では、砂嵐に巻き込まれそうになるところを知恵で回避したり、ローバー横転の危機に見舞われたりします。映画ではこういった描写はカットされていました。
原作では、苦労に苦労を重ねてMAVにやっとたどり着いたときの主人公マーク・ワトニーの喜びように感動しました。ここの部分はとても映画的で、映画でも同様なシーンなのだろうなぁ感動するだろうなぁと思って観ていましたが、そのシーンではMAVにさらっと到着していて、コブシを天に突き上げて喜ぶという感動的なシーンは無く、なんとももったいない描写だなぁと思いました。
【良かったところ】
主人公マーク・ワトニーが、宇宙食をポリポリ、じゃがいもをモシャモシャ食べるシーンが美味しそうで良かったです。たいして美味しいものではないと思いますが、うまそう・・・と思いました。
化学変化で水を作り出すシーン。本を読んだだけでは情景の想像がむずかしかったですが、やはり映像で見ると分かりやすくていいですね。ああやっていたのかー。
今まで苦労して生きぬき、やっとたどり着いたMAVに乗って火星を脱出するシーン。ロケットに点火して発射するとき、主人公マーク・ワトニーは喜びのあまりぼろぼろ泣いてしまいます。思わずもらい泣き。
宇宙空間で仲間の火星探査クルーたちに救出されるシーン。原作では男性クルーが船外活動して主人公マーク・ワトニーまでワイヤーは届き、ギリギリのギリで救出しますが、映画では女性クルー(船長)が救出に向かい、ワイヤーが届かず、原作では主人公マーク・ワトニーが船長に却下された危険な方法で、自ら船長のもとへと向かいます。これは映画的で見どころがあって良かったです。
・オデッセイ (映画) - Wikipedia
科学的正確性の項目より。
>火星の重力は地球の約40%の大きさであるが、リドリー・スコットは地球と火星の重力の差を再現しなかった。あえてその差を表現する意味を見出せなかったためである。
確かに、ふわりふわりとした映像でシーンを撮っても、観るほうは退屈で全体的に緩慢な映画になってしまうかもしれません。これは良い選択だと思います。
【というわけでまとめ】
ガッカリしたところを引くと、5段階評価で星4つ! といったところです。
『火星の人』を読んでから観るとガッカリするところもありますが、なるほどこういうシーンになるのかと感心する部分もありました。全体的には、観て良かったなぁ~という感想です。
p.s.
小4むすこは風邪の病み上がり、妻は小4むすこの世話のため(ふたりともこの映画に興味ありませんでした)、中2むすめとふたりで観てきました。中2むすめはクラスメイトの男子が映画『オデッセイ』を観に行くと言っていたのを聞き、やや興味があったようです。学校に行ったら観てきたことを自慢するとのこと。
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)
